旺玄会 「画の探求、我の調和」創設者・牧野虎雄から受け継ぐ精神を今も

2015/02/23
第80回記念旺玄展の集合写真
昭和7年に、牧野虎雄が、盟友や門下生と作った「旺玄会」。2014年に開かれた第80回記念旺玄展を振り返りつつ、会の特徴や展覧会への取り組みを聞いた。
画の探求、我の調和
「画の探求、我の調和」は、2009年に現・名誉会長の勝俣睦が掲げた会の新しいモットー。作品追求へたゆまぬ努力を傾けるいっぽうで、芸術論争以外の無用な対立、抗争は慎むという意味で、絵を描くための最良の環境を目指す会の姿勢を示している。
旺玄会は、昭和7年、帝展の中心画家の一人だった牧野虎雄が、盟友や門下生と立ち上げて始まった。牧野は帝展審査員に任命されるほか、帝国美術学校(現武蔵野美術大学)、のちに多摩帝国美術学校(現多摩美術大学)教授になるなど、一貫して美術教育に思い入れを持って携わってきた。美術公募団体である旺玄会の立ち上げについても、後進の教育、育成は主な目的の一つだったことだろう。
常任理事の片山聖三は、創設者の牧野について「弟子から敬愛される、非常に人間味にあふれた方だったようです。お酒を嗜まれることでも知られ、当時『酒豪の洋画家』といえば誰もが牧野先生のことを思い浮かべるということでした」と語る。 牧野をモデルにした1948年の映画『生きている画像』(新東宝、千葉泰樹監督)のなかでも酒好きのことは取り上げられ、片時も放さない清酒の一升瓶を「菊ちゃん」「菊正夫人」と呼ぶユーモラスなエピソードが紹介されている。

牧野虎雄《庭の少女(中庭)》 1921 油彩 94.8×110cm
写生中の牧野
『生きている画像』より (c)国際放送
透明性の高い運営
旺玄会は設立の当初から、公平な審査と透明な運営で知られてきた。創設以来の自由な表現を尊重する精神が継承されており、展覧会の壁面には、具象から、半具象、抽象に至るまで、バラエティに富んだ作品が並ぶ。平面絵画であれば、洋画、日本画、版画など、ジャンルを問わない。また、デジタル作品を早くから受けいれているのも特徴だろう。
「派閥などもなく、民主的な運営を心がけています」と片山。「それも牧野先生からの伝統で、かつての帝展で経験した政治的な審査のやりとりへの反動から立ち上げた会ということもあると思います。絵が良ければ、一定回数入選を重ねることで、「会友」「会員」に推挙される仕組みになっています」
団体展への応募は、一回かぎりのコンクールではなく、継続的に続け、仲間との関係を培っていくもの。そうであれば、審査の公平さ、運営の透明性は会員を目指す上での大きな励みとなるはずだ。

第80回記念旺玄展での企画展示の様子
東京都美術館主催「公募団体ベストセレクション美術2014展」で、自作を説明する旺玄会の馬場由紀子
斎藤寅彦 《時の跡2014》 油彩 150P
田中紘子 《日米ガールスカウト 友好の絆1》 油彩 100F
加藤良子 《プルトスを抱く女神》 油彩 100F
(左) 勝俣睦 《暴力の門》 パステル 30P
(右) 池田均 《日本のポプラのある丘》 水彩 変50
松田敬三 《外房白浜》 油彩 130F
(左) 杉田英雄 《Locus―闇からの輝き》 油彩 80S
(中) 木本牧子 《CHILDMAIND》 油彩 100S
(右) 新澤由貴 《能・道成寺幻想》 日本画 100F
(取材・構成=竹見洋一郎)
公募情報
旺玄会
第81回旺玄展
:2015年5月22日(金)~30日(土)
:東京都美術館(東京上野公園内)
名古屋、秋田、大阪に巡回
搬入日時:5月11日(月)、12日(火)10:00~16:30
:洋画(油彩、パステル、水彩、アクリル、その他)、
日本画、版画ほか。
20号以上100号まで、120号、130号(FPM)は縦可。
点数は制限なし。
:1人3点まで9,000円。1点増す毎に2,000円。
25歳以下出品料無料30歳以下半額(搬入日現在の年齢)
第81回展のポスター
ART公募内公募情報 http://www.artkoubo.jp/ougenkai/d_koubo.php
団体問合せ
一般社団法人 旺玄会事務所
TEL:080-5382-1933
東京都台東区東上野3-33-9 戸辺ビル7階A室
http://www.ohgenkai.org

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