汎美術協会
会の精神を継承しつつ、時代に即した手法でイメージを刷新

2017/11/01
「2017 汎美・秋季展」会場入り口
1933年の発足から真の自由と平等を尊重し、出品作品の審査や賞の授与を設けない独自のスタイルを貫く汎美術協会。近年は作家とオーディエンス間のコミュニケーションを構築するべくリブランディングに取り組んでいる。その指揮を執る事務局長の中西祥司氏にお話をうかがった。
作家と作品への興味を深める、会場での新たな試み
――中西さんが事務局長に就任されて3年目。その間に、組織として新しいアプローチを進めてこられたそうですが、具体的な取り組みについて教えてください。

「まず1つ目は、今年の秋季展から始めたギャラリートーク。これは内部で行うものと対外的なものと2つあります。
内輪のギャラリートークは閉会時に行います。作家本人の作品を前に会員同士が忌憚のない意見を言い合う、いわば勉強会。汎美の精神として、作家は皆平等と考えているので批評することはありませんが、他人の感想は聞きたいものですし、そういう刺激が会員同士の切磋琢磨につながる。会のクオリティ向上のためにも意義のあることだと思っています。
対外的なギャラリートークは、美術館の公式行事でもあります。一般の方に作家や作品により興味と理解を持っていただくため、それぞれの作家が自作への想いやコンセプト、技法や素材などについて解説するというもの。あらかじめそれぞれの作家に作品に込めた思いや意図を聞き、来場客の皆さんに掘り下げた話ができるよう工夫しています。秋季展で行ったところ非常に好評で、来場者の方からも作家が驚くような的確な質問や新鮮な質問をいただき、大変盛り上がりました。来春、国立新美術館で開催される汎美展でも行う予定です」
「2017 汎美・秋季展/ギャラリートーク」一般の鑑賞者も交え、活発なディスカッションが行われた。
――直接、作家と話ができ、解説が生で聞ける、観る者にとっては貴重な機会ですね。

「作品だけでなく、作家にも興味を持ってもらいたい。そのための2つ目の試みとして、作品のキャプションカードにQRコードを入れました。スマホでQRコードを読み込むと、汎美のホームページ内に設けた、その作家の個人ページに直接飛べる仕組みです。通常の展覧会では惹かれる作品に出合っても、大抵その場限りで終わってしまい、次へとつながりません。しかし、その場ですぐ作家の経歴や過去の作品、展覧会情報などが見られれば、作家への理解が深まり、またこの作家の作品が見たいと思っていただけるのではないか。そこに期待しています」
会場でQRコードを読み込み,各作家のページをその場で閲覧できる
――作品の展示の仕方も独特ですね。油絵の隣に日本画があったり、立体もあったりと、ジャンルも大きさもさまざまでバラエティに富んでいる印象です。

「他の展覧会では作品を1点ごとに見てもらうような展示が一般的だと思いますが、汎美では一人ひとりが自分の持ち分のスペースの中で作品を自由に見せる、個展のような展示を行っています。そのほうが作品の奥行き、幅を感じ、作家の世界観を楽しんで見ていただけるかなと。秋季展から平面は30号以上、合計60号以上という条件を実験的に設けていますが、それ以外に制約は何もないので、他ではできないようなユニークな展示の仕方ができるところが汎美の面白さだと思います」
「2017 汎美・秋季展」の様子
展示順は抽選で決定するため、平面と立体作品が混在した自由なレイアウト
より多くの、広い層に見てもらうために
――「汎美展」「秋季展」「小品展」を3本柱に活動されていますが、全部違う会場で開催しているのはなぜですか?

年2回の大作発表の展覧会だけでなく、小品を発表する展覧会も面白そうだからやろうというのがもともとの主旨でした。しかし、会場ということで言えば「美術館によって来館者の層が異なるので、できる限りたくさんの方に見ていただくために、汎美展は国立新美術館、秋季展は東京都美術館で開催しています。小品展は京橋のギャラリー檜で行っていますが、ギャラリー自体に固定客が多い上に、年間200人近い作家が出品しているので、いろいろな人が見に来てくれる、それに加え、今まで汎美を知らなかった人が来てくれるというメリットがあります。また、一般客だけでなく作家も見に来るので、仲間同士の出会いが生まれるのもこうしたギャラリーのいいところですね」

――今後の会の抱負を教えてください。

「次世代に汎美展を手渡して行くためには、汎美の特色は活かしつつも、時代の変化を読み取り、汎美は変わっていかなければいけない。その信念のもと、より広く多くの方々に汎美をアピールするために、これまでにホームページを整備して掲載情報を充実化し、フェイスブックも一般向けと会員向けの両方を立ち上げ、コミュニケーションの構築を図ってきました。また、展覧会の質の向上を始め、美術に係る活動を積極的に展開したいと企画しています。今後もこうした取り組みを継続し、今の時代に一番適した方法で情報を発信し、汎美術協会への参加者を増やし、他にないユニークな存在価値のある美術団体にして行きたいと考えています」
(取材・構成=杉瀬由希)
中西祥司 Nakanishi Shoji
1968年、多摩美術大学 デザイン科入学
2009年、サロン・ド・ユニゾン展(世田谷美術館)2012年まで毎年出品
2010年より汎美展に出品(国立新美術館)、
以後秋季展(東京都美術館)、小品展を含め毎回出品
2010年、日仏現代国際美術展(大森ベルポート/アトリウム)
2015年、パリ 春の現代美術展に出品(Galerie Etienne de Causans/Paris)
2015年より汎美術協会事務局長を務める
公募情報
2018汎美展
2018年3月7日(水)-19日(月)
国立新美術館
種類・点数 絵画、版画、写真、彫刻、オブジェ、インスタレーション等
未発表の作品に限る(個展出品作は可)
平面作品は合計で幅5.5m×高さ4.8m
点数制限なし(下限は30号以上、合計60号以上)
立体作品は床面3.5m×2m以内
出品 15,000円(一般出品者)30歳未満は半額
応募方 会員または事務局の推薦が必要ですが、出品作に対する審査はありません。
当会の考え方や活動等に賛同し、出品を希望する方は、下記事務局に画歴と作品のコピーをお送りください。運営委員会にて検討させていただき、結果をお知らせします。(なお、応募書類は返却しません。予めご承知おきください。)

「汎美2018」のフライヤー
ART公募内公募情報 http://www.artkoubo.jp/hanbi/d_koubo.php
団体問合せ
汎美術協会事務局
〒143‐0023 東京都大田区1-44-11-701 中西祥司方
03-3773-1328
jimukyoku@hanbi.jp
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