春陽会
会の中で学び、仲間と共に成長してゆく

2017/12/20
2017年9月に開催した、銀座ギャラリー惣での「伊藤昭二展」
1922年の発足以来、平等と尊重の精神に基づく各人主義を貫き、才能豊かな作家を輩出してきた春陽会。今年開催された第94回春陽展で、損保ジャパン日本興亜美術財団賞を受賞した春陽会会員の伊藤昭二さんに、自身と会との関係や制作についてお話をうかがった。
伊藤昭二《晩冬畦道》損保ジャパン日本興亜美術財団賞
偉大な先輩方に憧れて
18歳で初出品した春陽展で入選して以来、春陽会と共に作家人生を歩んできた伊藤昭二さん。数ある公募展の中から春陽展を選んだ理由をこう語る。
「出品する1年程前、春陽会の岡鹿之助先生が文化勲章を受章されたニュースをテレビで見たんです。さらにその後、会の創設者の一人である中川一政先生も文化勲章を受章された。お二人に憧れ、春陽展で入選すれば会えるんじゃないかなと思ったのが出展した動機です。入選し、念願かなってお会いすることができましたが、恐れ多くてただ遠くから見ていました。岡先生と中川先生の画風がまったく違うように、春陽会は作家一人ひとりの個性を尊重する会。それは今も昔も変わっていないと思います」
10代半ばから独学で油絵を描いてきた伊藤さんにとって貴重な学びの場となっているのが、春陽会が全国各地で活発に活動している「研究会」だ。地元の栃木研究会で2カ月に一度、作品を持ち寄り、そこで得た講評を取り込み精度を高めた作品を春陽展に出展する。長年そうして自己研鑽に努め、自身の絵を追求してきた。
「皆さんの作品と並ぶことで刺激になり、緊張感も保つことができる。だから絵を続けてこられたし、もしこの会がなかったら、今ごろ自分は描いていなかったと思います。続けていくことによって見えてくるものがあるので、この会でこれからも描き続けていきます」
2017年9月に開催した第63回春陽会栃木研究会展での「研究会」
小さい声で、自分らしく
この秋、伊藤さんは銀座のギャラリーで個展を開いた。作品の多くを占めたのは、伊藤さんが愛してやまない生まれ育った栃木の冬の田園風景。夕刻の畦道や春の水田など、もの悲しさの中にどこか懐かしさを感じさせる、画面の中に引き込まれていくような静かな絵だ。
「冬の大地は茶色に見えないんですよ。黒々とした感じ、特に雨が上がるとそう見える。色彩がないから寂しい感じがしますが、冬は雑草もきれいに見えますし、そういう自分が一番好きな風景を描いています。ずっと住んでいる見慣れた景色でも飽きないですね。今まで何でもなかったものが急に気になって、それが絵の主役になることもありますし、何かしら発見があります」
会員仲間だけでなく、他の会の展覧会にも時間が許す限り足を運ぶが、近年の傾向として「頭で考えた“つくった絵”や、大きい声で主張している絵」が増えていることが気になるという。そして自らが目指す絵を再確認するように、言葉少なにこう語る。
「自分にはそういう表現は合わないし、もっと自然に絵を描いていたい。写生から描いた何の変哲もない風景だけど、その中に自分がいる。小さい声だけど、それでも私は生きている。そういう自分らしさが絵の中にあれば、ほかに望むものはありません」
2017年秋に銀座ギャラリー惣で個展を開催した、春陽会会員の伊藤昭二。
地元・栃木の風景や静物をモチーフにした、味わい深い油絵が並んだ。
●プロフィール
1955年栃木県生まれ。74年春陽展初入選。
85年会友推挙。2004年会員推挙。
主な受賞歴に86年栃木県芸術祭準芸術祭賞、97年、99年、2002年春陽展奨励賞。
2017年春陽展損保ジャパン日本興亜美術財団賞。
(取材・構成=杉瀬由希)
入手朝子《ConfusionⅠ》絵画部 春陽会賞
※以下作品画像は全て2017年第94回春陽展受賞作より
飯田耀子《葛藤》版画部 春陽会賞
舘 寿弥《領域》絵画部 中川一政賞
篠田紀美代 《献花Ⅲ》版画部 岡鹿之助賞
公募情報
春陽展
第95回 春陽展
2018年4月18日(水)〜30日(月)
国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
名古屋5月8日~11日、大阪6月5日~11日に巡回
 
作品公募
2018年4月5日(木)・6日(金)
絵画=194×162cm(F130号)以内
版画=200×150cm(額外寸サイズ)以内
各部門6点以内
出品 1人3点まで1万円(4点目以降、1点につき2000円)
☆ 初めて春陽展に出品される方に限り、出品料を半額割引
出品ご希望の方はA~Cいずれかの方法でエントリーをしてください。(第93回・94回展に出品された方はエントリーの必要はありません。第95回展の出品目録をお送りしますので,住所変更のある方はご連絡ください。)
A.春陽会WEBサイトから shunyo-kai.or.jp/shunyo-ten
B.FAXでエントリー 03-6380-9467
C.郵送でエントリー 〒102-0085 千代田区六番町1 番町一番館 春陽会事務所 エントリー係

「第95回 春陽展」のポスター
ART公募内公募情報 http://www.artkoubo.jp/shunyokai/d_koubo.php
団体問合せ
春陽会事務局
〒350-1136 千代田区六番町1 番町一番館
shunyo-kai@shunyo-kai.or.jp
03-6380-9145
http://shunyo-kai.or.jp


当サイトに掲載されている個々の情報(文字、写真、イラスト等)は編集著作権物として著作権の対象となっています。無断で複製・転載することは、法律で禁止されております。
ページトップへ
アート公募姉妹サイト<PR>