水彩連盟 - 現代的水彩画の確立と、絵画としての可能性を目指して

2015/1/15
※作品画像はすべて水彩連盟2014年第73回展より
1940年(昭和15年)、荒谷直之介、春日部たすく、小堀進、小山良修、齋藤大、山中仁太郎、荻野康児、渡辺菊二の8名で結成。日本を代表する水彩画公募団体の一つとして、水彩画表現の可能性を追求しつつ、個性ある作品を発表し続けてきた。結成75年の節目を迎え、代表の忠隈宏子に話を聞いた。
水彩画というジャンル
ヨーロッパにおける水彩画の歴史は古く、特にイギリスでは18世紀以降、独自の技法として発展を遂げています。一方で日本の美術界では、20世紀に入ってもなお、水彩は「油彩よりも下のもの」「安直な下描き」という認識が主流でした。そんな状況に異を唱え、油彩に並び劣らない水彩画の絵画としての存在を確立したいと願う方々により「水彩連盟」が結成されました。「油彩でやれる仕事を、なぜ水彩画なんかでやるんだ」という風潮のなかでは、厳しい船出ではなかったでしょうか。しかし本来、日本人にとって水彩画は技法的にも気候風土的にもはるかに適した表現ではないかと思っています。
(左)忠隈宏子 《天と地の間》
(右)萩山信行 《散歩するかたち(indigo fusion)》
(左)岡野亮介 《Passage》
(中)森治郎 《古代浮舞》
(右)まついとおる 《或る街角 パリ》
多彩な広がりを見せる水彩表現
「水彩連盟展」の出品に際しては、水溶性絵具を用いること以外に厳密な表現の規定はなく、毎回、抽象、具象、コラージュなど、さまざまな作品が集まります。水彩画というと、まずは透明水彩の淡い世界を連想しますが、近年は透明水彩、ガッシュ、アクリル絵具など驚くほどの種類の水溶性絵具があります。従来の、ぼかしやにじみを生かす描き方はもちろんのこと、のせて重ねていく重厚な描き方も自由自在になりました。あらゆる多彩な描き方が可能といえますが、それだけに水彩ならではの表現とは何かについて常に模索を続けています。
(左)冨家昭雄 《創景図》
(右)安達智行 《道標(稜威Ⅲ)》
(左)酒井敦彦 《323》
(中央)西山督夫 《鈍日》
(右)越野邦夫 《青のサールナート(インド)》
海外の水彩画団体とも交流
「水彩連盟」では毎年7月に行われる人体・静物の夏期講習会をはじめ、秋のスケッチ会や企画展など、水彩画技法の発展を目指したさまざまな行事に取り組んでいます。近年は海外の水彩画団体との交流も積極的に行い、これまで各国相互で、アメリカと5回、韓国と5回の交流展を開催しました。絵を競い合うということではなく、一人ひとりが表現者同士の良好なつながりをつくっていけば、それがゆくゆくは国際親善になっていくのではないかという動機からです。実際に開催してみると、国ごとの表現方法や表現への姿勢の違いもわかってきます。水彩画で結ばれたこの絆を、これからも大切にしていきたいと思っています。
2014年、韓国・ソウル市で行われた韓日米水彩画交流展の様子。
次代の水彩表現を目指して
水彩には水彩の優れた表現があるはずで、画材の種類だけで判断されるようなことがあってはならない。また描く側としても、すべての絵画の1ジャンルとして見て欲しい。そんな思いで、あえて水彩という表現にこだわって活動を続けてきました。これからも、水溶性絵具でどれだけのことができるかという可能性の追求を、結成時からの大きな目標として共有しながら、自己の内面の表現に取り組んでいます。
2015年春の水彩連盟展では、より一層、斬新で感性にあふれる水彩画作品の登場を願っています。
(取材・構成=合田真子)
公募情報
水彩連盟
第74回水彩連盟展
:2015年4月1日(水)~3日(月)
:国立新美術館(東京都港区六本木) 4月7日(火)休館
:水溶性絵の具による未発表作品。P20号以上F80号以内、
正方形の場合S40号(100cm×100cm)以内。
応募点数制限なし。
:2点まで10,000円、1点増すごとに2,000円。
搬入日時:2015年3月19日(木)、20日(金)11:00~16:00
35歳以下(2014年3月末日現在)および初出品の方は半額

第74回水彩連盟展のポスター
ART公募内公募情報 http://www.artkoubo.jp/suisairenmei/d_koubo.php
団体問合せ
水彩連盟事務所
TEL:03-6661-4451
sui-ren@suisai-renmei.org
http://www.suisai-renmei.org

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