[File6] 三軌会
絵画、彫刻、工芸、写真。幅広い自由な表現を尊重する

2015/3/30 ※更新2022/6/23
(左)堀内睦子 《メモリー》 絵画部 第66回三軌会賞
(右)矢澤ただえ 《追想ボヘミヤ》 工芸部 第66回三軌会賞
1949年に水彩画の団体としてスタートし、公募のジャンルを拡げてきた三軌会。事務局長の小澤茂が語る、会の歴史と展望。
段階的に分野を増やしてきた
三軌会はその前身として「新水彩作家協会」という名称で、水彩画家の団体として「自由にして新鮮なる新水彩道を樹立する」という方針のもと、昭和24(1949)年に結成されました。
昭和30(1955)年に「三軌会」と改称。会の名称を変更することになったのは、参加する作家たちの表現分野が広がり、昭和27(1952)年には、工芸部の前身となる染色部が設立されたことも背景にありました。
名前の由来は、互井開一、古郷八郎、滝沢清の3人が戦前の一時「三紀会」というグループを作っており、互井代表(当時)の提案でその名前に因んでつけたのではないか、と言われています。
さらに昭和33(1958)年にはデザイン部(昭和55年まで活動)ができ、翌34(1959)年にそれまでの水彩部を絵画部と改めたりと、時代ごとの美術の潮流や、会員の構成などに合わせて変化してきました。
昭和40年代半ばまでに、絵画、彫刻、工芸、写真という4部の構成が固まって現在にいたります。近年では、デジタル表現も取り入れた写真作品も多く出品され、「作家の個性を尊重する」という方針のもとに、各部から多様な作品が集まっています。
事務局長の小澤茂
設立当初の水彩画研究所
設立者の一人、互井開一の制作風景
1955年の7回展より、会の名称が「三軌会」となった
層の厚さが、作家たちの刺激になる
作品の受け皿として部門の数が多くても、実際に出品する作家が少なく、部門に活気がないなら、応募しようという気持ちにならないかもしれません。その点、三軌会は分野に幅があるだけでなく、どの分野も元気です。
絵画では、油彩や、アクリル、立体造形的な絵画もあれば、日本画の出品もあり個性豊かです。写真部も、応募から始まり、入選し、陳列される作品に勢いがあります。彫刻や工芸部も絶えず前向きにがんばっています。ですから会場もにぎやかですよ(笑)。
いろんなイマジネーションをもっている方が集まり、層の厚みのなかで切磋琢磨していくのが、公募団体としての三軌会の魅力ではないでしょうか。
これからも自由な表現、個性あふれる作品の出品をお待ちしています。
(左) 渡辺茂子 《勇壮な舞》 写真部 第66回三軌会賞
(右) 酒井勉 《安ら》 彫刻部 第66回三軌会賞
(左) 今岡幸男 《Repetiton'14》 絵画部 第66回文部科学大臣賞
(右) 上岡昭美 《新生》 工芸部 第66回文部科学大臣賞
(左) 安部恵美子 《水辺の詩》 写真部 第66回文部科学大臣賞
(右) 遠藤喜美子 《古代ロマン》 絵画部 第66回損保ジャパン美術財団賞

※作品はすべて66回三軌展より
(取材・構成=竹見洋一郎)
公募情報
三軌会
67回三軌展 ※終了致しました。
  • 日程:2015年5月13日(水)~25日(月)
  • 会:国立新美術館(東京都港区六本木)
  • 搬入日時:4月30日(木)
  • 絵画・彫刻・工芸。写真は1月5日受付終了
  • 出品料:3点まで10,000円、写真は10点まで10,000円。
  • 1点増すごとに1,000 円加算。
67回展のチラシ
ART公募内公募情報 http://www.artkoubo.jp/sankikai/
団体問合せ
三軌会事務所
TEL:03-3380-3911(火〜木曜日・10:00〜17:00)
東京都中野区中野2-29-15 サンハイツ中野201号
sankikai@b-sankikai.jp
http://www.b-sankikai.jp

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