artkoubo MAGAZINE
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[File71] 公募展を通じて日本のアーティストを支援
「アートオリンピア2022」今年6月に開催

2021/1/5
  • 2022年に開催される国際公募展「第4回アートオリンピア」。最高表彰金には1,000万円という高額な賞金が授与されること、透明性と公平さを重視し、点数制を採用など、審査のユニークさも注目されている。
  • すでに募集が始まった今、アートオリンピアへの思いを主催者の山口伸廣氏(山口文化財団理事長)と初回から審査員を務める保科豊巳氏(画家/熱海山口美術館館長/東京藝術大学名誉教授)に話を聞いた。
山口伸廣理事長 熱海山口美術館にて
最高表彰金1,000万円。受賞者以外のサポートも手厚い
―2022年、アートオリンピア第4回が開催されます。最初に、アートオリンピアの特色について、教えてください。
山口:アートオリンピアは2015年にスタートした公募展です。応募資格は国籍を問わず、応募した時点で満18歳以上の継続して制作を行う意思のある方。才能ある作家を支援することが目的です。1位の賞金が1,000万円と高額表彰金ということで話題にしていただいていますが、私たちの支援はそれだけではありません。受賞しなかった方へのサポートも大事にしています。審査は点数制で、応募者全員に順位を表示してきました。何点取ったのかがわかれば、自分のだいたいの実力がわかりますし、前回も応募してくださっている方であれば、前回に比べてどれだけ伸びたかがわかります。私はベスト10に入らなかった方にいかに希望を与えるかということもとても大事にしています。この公募展をきっかけに自身の成長を感じてほしいですね。
―受賞者以外への心遣いというのは、珍しいですね。
山口:私は主催者でありながら、応募者の気持ちもわかります。長く陶芸をやっており、何度も公募展に出品していますが、なかなか受賞できない。落ちると本当にがっかりしてしまうのです。だから私は、応募者を元気づけるような公募展をつくりたかった。また、上位者は審査員のコメントから、どこがよかったのか、よくなかったかを知ることができます。どんな作家も伸びしろがあるはずですから、そこを伸ばすための公募展にならなければいけないのです。
第3回アートオリンピア審査の様子 豊島区新庁舎
第一線で活躍する審査員が公開審査
―審査の透明性も、他の公募展とは一線を画していますね。
  • 山口:国内外の第一線で活躍する8名の審査員によって行われます。審査に偏りがないよう、キュレター、作家、出身地域など多様性を考慮した人選です。最終審査は公開で行われ、審査員が1作品ごとにタブレット端末に点数を入力し、その点数はそのまま会場のモニター画面に表示されます。第4回は、コロナ禍化の影響にも配慮しながらとなります。
  • 保科:これまで3回開催して、海外の審査員は海外の応募者を評価する傾向が強いなど、いろいろなことが見えてきました。透明性を重視して点数制にしましたが、そうすると、「一人の審査員からは100点をもらったが他からは0点だった」というような、とがった作品は点数が伸びないんですね。今後はこういった点も考えていかなければなりません。回を重ねるごとにより良い形を目指して、たとえばその審査員がなぜこの作品を高く評価したのかという声もしっかり届けていきたいですね。
アートの力で人と街をもっと元気にしたい
―審査は熱海で行われるそうですね。
山口:これまで東京でやってきましたが、今回は試験的に熱海で開催しようと思っています。熱海山口美術館のすぐ近くに、「起雲閣」という史跡があるのですが、そこを会場にする予定です。一度やってみて、問題なければ今後は熱海で開催したいですね。というのも、私は熱海をアートの街にしたいのです。熱海は人にやさしい街で、私が美術館を設立した時も、近隣の方々がいろいろと協力してくださいました。市職員の方も素晴らしい方ばかりですし、アートの力でこの街を活性化するお手伝いがしたいと思っています。
保科豊巳氏(画家/東京藝術大学名誉教授)
―これまでの受賞者の活躍を教えてください。
保科:第一回の一般部門で1位を受賞した田中正さんという作家は、この受賞をきっかけにギャラリーからも注目されるようになり、個展も多数開催しているそうです。この方は、独学で作品をつくられている方で、アートオリンピアで優勝するまでは無名の存在でした。仕事を続けながら制作を続けていましたが、この受賞がなかったら辞めようかと思っていたとのことでした。アートオリンピアは透明性のある選考を一番大切にしており、作者の経歴やバックグラウンドなどは全く関係なく、作品そのものだけを審査します。どの審査員がどの作品に何点入れたのかもオープンにしています。こうした公募展だからこそ、才能ある無名の作家を応援することができるのです。
 今回はコロナ禍のため、作品画像での応募となる。このため、従来かかっていた作品の送料の負担がなくなり、大型作品を制作する作家にとっては朗報といえる。画像に関しては、質感や大きさが伝わりにくいなど、作品によって不利が生じることはないとのこと。これまでも海外では一次審査は画像で行われ、問題はなかったとのことなので安心してほしい。また、今回は海外向けの告知を控えているため、日本国内の応募者にとってはチャンスでもある。出品料が従来の半額に下げられていることもあり、応募の敷居が低くなっているので、ぜひふるって応募してほしい。
青い壁面の山口美術館外観
宮田 亮平氏(東京藝術大学前学長、文化庁前長官)の作品を美術館の正面と海側の壁面にも展示
熱海山口美術館で過去の受賞作品を展示
ルオー
ピカソの陶器や絵画
ルノワール
各部屋にピカソ、ルオー、岡本太郎など巨匠の作品が展示されている。
(取材・構成=村串沙夜子)
公募情報
アートオリンピア2022
  • 【1次審査の出品申込期間】
  • 2021年12月1日~2022年4月15日
  • ※今回はWEBフォームからの応募受付になります。一次審査は作品の画像データ(写真)による審査。
  • WEBページより応募
  • 【 申込受付期間 2021年12月1日[水]~ 2022年4月15日[金]24:00 】
  • アートオリンピア2022のホームページ内から入り応募フォーム(外部サイトへリンク)を開きます。
  • ◇ 応募部門
  • ・全応募者部門:全応募者(一般、学生含む)
  • ・学生部門:30 歳以下(出品申込時点)で大学(大学院含む)・専門学校等に在籍している者。
  • ※学生(30歳以下)の応募者は、全応募者部門にも同時にエントリーされます。
  • ・応募点数:一人3点まで
  • ※詳細は下記公式HPを必ずご覧ください。
  • 公式HP:https://www.artolympia.jp/
展覧会情報
  • 期間:
  • 2022年6月23日(木)~6月28日(火)
  • 場所:
  • 静岡県熱海市 起雲閣
  • 〒413-0022 静岡県熱海市昭和町4−2
  • (応募者には展覧会期間の無料入場券を配布します)
  • 展示作品:
  • 1次審査通過作品(受賞・入選作品)80点
  • 熱海山口美術館
  • 山口文化財団の作品コレクション約2000点を入れ替え展示。チケットには、1ドリンクとマグカップの絵付体験付き。ドリンクは人間国宝の茶器を使用しての抹茶を選ぶことができる無料体験がついています。
  • 開館時間 9:30-17:00(最終受付16:30|無休)
  • 住所 〒413-0014 静岡県熱海市渚町24-1 TEL 0557-27-2411
  • https://atamiart.com/

アートオリンピア2022 ポスター

 
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