光陽会
世代や分野を超えて高め合える、意欲ある人のためのオープンな会

2019/05/13
第67回 光陽展リーフレット
「一派に偏することなく、各々が自由の立場で自分の信じる絵画芸術の完成に向かって創作すること」を目標に掲げ、昭和28年に太平洋絵画会代表の多々羅義雄と有志20名により設立された光陽会。会の気風や活動、67回目を迎えた「光陽展」について、委員の岡本邦治、大野起生、加藤瑞恵の3氏に話を聞いた。
左から大野起生、加藤瑞恵、岡本邦治
ヒエラルキーのない、風通しの良い組織。
公募団体には珍しい委員定年制度も
――光陽会はどんな雰囲気の会ですか? 特徴を教えてください。
岡本
ひとことで言うと、非常に民主的な会です。皆、同僚のような付き合いで、上下関係がない。私と大野さんは17、8年前に別の美術団体から光陽会に移ってきたんですが、入会早々から先輩たちに「十年選手みたいだね」と言われるほど馴染んでいました(笑)。
大野
公募団体には多いと思いますが、以前私たちが所属していた団体も、会員はともかく委員に対しては話しかけにくい雰囲気があったんですよ。でも光陽会は、最初から大物作家が気軽に声をかけてきてくれて、会によって随分違うんだなと思ったものです。
加藤
私は40年以上前から光陽会にいますが、昔から油絵や染色、漆画、版画などジャンルによる隔たりもなく、ジャンル内で固まって付き合うということもありませんでした。いつも和気藹々としていて、皆が個性を出しながらも、ぶつかり合うことがないんです。民主的な考えを持っている人が当時から多かったですね。
岡本邦治「深山待春」油彩 第67回光陽展出品
加藤瑞恵「ジャータカ物語」油彩 第67回光陽展出品
大野起生「海風が躍る神社」油彩 第67回光陽展出品
大野
委員は85歳で定年となり、名誉委員を任命され、運営の実務から離れる制度を設けているのも当会の特徴です。委員は運営上いろいろやることが多いので、高齢になるとどうしてもミスをしやすくなり、若い頃と同じようにはできなくなる。それを続けることは本人にとっても大変なことですし、だったら区切りを設けて若い人たちにバトンタッチしていこうと。公募団体でこういう制度を実施しているところは、ほかにあまり例がないのではないかと思います。
岡本
通常では委員会で議題にかけても、まず通らないんですよ。それどころか、余計なことはするなと叩かれて、会をクビになってもおかしくない。それが、皆の賛成を得て可決するところが光陽会。定年になった委員もこの制度を評価していて、「実際に85歳になったらつくづく大変、この制度を設けたのは正解だった」という人が多いですね。
支部や会の垣根を超えたスケッチ会など
オープンな交流の機会を積極的に創出
――会の活動について教えてください。
岡本
まず毎年、東京都美術館で4月に開催する本展「光陽展」があります。その後、巡回展があり、今年は5月14~19日まで広島県立美術館、7月2~7日まで京都市美術館別館で開催します。また8月には初めての試みとして、関東地区支部の合同展も開催予定です。支部が違うとなかなか接点がないので、この機会に交流を深めつつ、合同で行うことにより展覧会としてもスケールアップできるので、新しい人を呼び入れるきっかけになればと思っています。
大野
それ以外にスケッチ会や人物のデッサン会なども不定期で開催しています。これは支部だけでなく、会の垣根も超え、誰でも自由に参加できます。光陽会のメンバーじゃなくてもいいし、他の公募団体に所属している方でもいい。どなたでも大歓迎です。
――支部ではどのような活動を行っているのですか?
加藤
それぞれでスケッチやデッサンなどの勉強会を組み立てて切磋琢磨しています。私が所属している千葉東葛支部では、大体月に2、3回集まります。年に一度、支部展があるので、まずそれに向けて制作し、支部展が終わるとまた勉強会を開いて本展に向けて制作するという感じです。一人で描いていると欠点に気づかないことが多いので、客観的な目で作品を見て意見を言ってもらえるところが、こういう勉強会の一番の魅力ですね。
玉川上水(東京都小平市)スケッチ会の様子
時代の変化を敏感に捉えながら
会のあるべき姿を皆で考える
――今年も盛況のうちに本展が終わりました。感想を聞かせてください。
岡本
大分まとまってきているなという印象を受けました。ベテランはベテランなりの作品を出していましたし、一般ではこれから期待できるなという方が何人も出てきたので、そのフォローも考えなければと思っています。
加藤
現役の学生が何人か出品していましたね。あとは、福島の復興住宅に住んでいる人が応募してこられた方がいて、インパクトのある絵で賞を取ったのが印象的でした。
第67回光陽展会場風景(東京都美術館・上野)5月に広島、7月に京都へ巡回する
――本展で小品展のコーナーも設けているのはなぜですか?
岡本
美術を愛する一般の人に、作品を発表する場を設けてあげたいという意味合いが大きいですね。最初から大作でなければ応募できないとなると、尻込みしてしまう人もいるので。上下関係のない会ですから、小品を出す人も大作を出す人とまったく同じ立場で参加できるというところを大事に考えています。小品を入り口に、次は大きい作品に挑戦してみようという流れをつくれれば、作家も育っていくのではないかと思っています。
大野
実際に、小品を出していた人が大きい作品を出してくるというケースは、結構あります。会場で大きな作品を見て、自分もああいう風に展示されたいと思うのかもしれませんね。公の場に展示するということは、刺激を受けるし、それだけ得るものが多いんですよ。
加藤
年齢が上がってくると、介護や自分の健康問題などいろいろ状況に変化が生じて、大きい作品を描くのが難しくなってくるという現実があります。大きい絵が描けない、出品できない、だからやめてしまおう、という考えではなく、小さい作品でもそれなりに評価されるという方向性を、会としては示していきたいと思っています。描きたいという思いがある限り、やはり描き続けて欲しいですから。
第67回光陽展 ギャラリートークの様子
――最後に、今後の光陽会のビジョンを聞かせてください。
岡本
最近はアール・ブリュットのような新しい作品が、応募作の中でもちらほらと現れ始めているので、それが今後どういう風に伸びていくのか非常に興味を持っています。美術の王道を行く作家はもちろん大事ですが、一方で、そういうアウトサイダーアートに対しても魅力を認め、門戸を開いていくことも必要だろうと。その両方を、どうやってうまくミックスさせ、会の中で消化していくかが今後の課題です。理想と現実の間で折り合いをつける最善の方法を、皆の意見に耳を傾け、会全体で探っていきたいですね。
(取材・構成=杉瀬由希)
以下第67回光陽展受賞作品から
(左)大島信一「森と海とⅡ」油彩 光陽会賞
(右)布施 毬江「ラブリーパーツ」染色画 文部科学大臣賞
(左)末田 一博「船出」水彩 東京都知事賞
(右)松浦 悦子「Mの断片」油彩 損保ジャパン日本興亜美術財団賞
(左)光木 桂二「夏の終わり」油彩 会員秀作賞
(右)森 泉「窓辺」油彩 会員秀作賞
(左)竹花 美智子「そら Ⅴ」油彩 多々羅義雄賞
(右)小田柿 弘子「閑日の作業場」水彩 鷲田新太賞
(左)福間 祐未「暗闇の中を信じて歩む」油彩 今井繁三郎賞
(右)小野 萌子「秋光」うるし絵 竹村喜美子賞
(左)小笠原 るり子「ミリーへ」油彩 会友秀作賞
(右)京極 声輝「巨大なガマガエル」水彩 会友秀作賞
公募情報
光陽会
第67回光陽展

誰もが応募しやすく、誰もが成長でき、
居心地がいい光陽会を目指して、30歳以下応募料無料

<本展>

2019年4月3日〜8日(最終日14時まで)
東京都美術館(上野)
自作未発表の作品 (油彩 水彩 アクリル 染色 うるし絵 版画 パステル、クレヨン 水墨画 日本画)
  • 作品のサイズ:
  • 15号以上(油彩、アクリル、染色、水墨画、日本画、鉛筆・ペン画)
  • 53✕45センチ以上(水彩画)
  • 10号以上(うるし絵)
  • 6号以上 (版画)
2019年3月9日(土)・10日(日) 受付 東京都美術館地下3階
出品手数料 1人3点まで10,000円、以後1点増すごとに1,000円、30歳未満の方は無料

優秀な作品には次の賞を出します
光陽会賞 文部科学大臣賞 東京都知事賞 損保ジャパン日本興亜美術財団賞 会員秀作賞2本 多々羅義雄賞 鷲田新太賞 今井繁三郎賞、竹村喜美子賞 会友秀作賞 新人秀作賞 会員奨励賞 会友奨励賞 新人奨励賞

<小品部門> 油彩、水彩、アクリル・染色画、うるし絵、パステル
クレヨン 鉛筆、ペン画、日本画、水墨画など

8号以下フリー
一人2点まで
出品手数料 5000円
  賞 小品優秀賞 小品佳作賞 小品努力賞
  • <巡回展>
  • ●広島準本展
  • 会場:広島県立美術館
  • 会期:2019年5月14日(火)〜5月19日(日)
  • ●京都準本展
  • 会場:京都市美術館別館
  • 会期:2019年7月2日(火)〜7月7日(日)
第67回光陽展DM
ART公募内公募情報 https://www.artkoubo.jp/koyokai/d_koubo.php
団体問合せ
光陽会事務所
〒183-0042 東京都府中市武蔵台3-6-2 大野起生方
080-6634-8323
042-207-5067
jimusho@koyokai.jp
http://koyokai.jp/


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