artkoubo MAGAZINE
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[File67] 旺玄会
探求と調和の精神で、常に前進を

2021/02/05
法人化から10年を迎えた昨年、斎藤寅彦氏を代表理事とする新体制で、さらなる高みを目指してスタートを切った旺玄会。パンデミックの苦難の中でも、会員同士が力を合わせ、絵の魅力を発信し続けてきた。その取り組みと第87回旺玄展開催に向けての展望を、代表理事の斎藤寅彦氏と副理事長の片山聖三氏にうかがった。
コロナの試練を、「画の探求」の好機に
新代表理事 斎藤寅彦
斎藤寅彦《時の跡(未完)》油彩、アキーラ混合
自作を前にした副理事長 片山聖三氏
  •  昨冬からのコロナ禍で大規模な展覧会の中止が相次ぎ、貴重な作品発表の場を失った美術団体は多いだろう。旺玄会も例外ではない。昨年は、毎年5月に開催する「旺玄展」の中止を余儀なくされた。作家なら誰しも創作意欲を喪失しかねない厳しい状況の中、旺玄会では独自のアプローチで会員たちのモチベーション維持をサポートしてきた。
  •  まず一つは、定期発行している会報誌「旺玄會報」の編集内容を工夫した。夏号では例年の旺玄展のレポートの代わりに60ページの大特集を組み、この苦境に同じ思いを抱えた仲間からの寄稿記事を掲載。会員、一般出品者の延べ90名が、「旺玄会と私」「忘れ得ぬ思い出」「私の絵画制作について」など思い思いのテーマで現在の心境を綴り、試練をチャンスと捉えた前向きなメッセージで士気を鼓舞した。また今年の新年号で、新理事長に就任した斎藤寅彦氏が「危機的状況であるからこそ、自ら絵を制作し出品し、元気な社会を取り戻そう!」と力強く呼びかけたことも会の結束を促し、求心力を高めた。
  •  もう一つの特徴的な活動は、YouTubeを利用した動画配信だ。きっかけとなったのは、千葉旺玄会のメンバーが団体の垣根を超え、作家仲間の有志を募って開催したオンライン展覧会。美術作品の新しい鑑賞スタイルを示したこの小作品展は、多くの作家や美術愛好家の関心を集め、旺玄会本部にも大きなインパクトを与えた。これを機に、会を挙げてインターネット美術展の実施や支部制作動画の告知支援に取り組み、これまでに「コロナに負けず画の探求」と銘打った常任委員・委員による作品展や、次世代を担う作家のビエンナーレ「継展」、千葉旺玄会の有志による「ABIHC展」などを紹介している。

アクリル 田中紘子「スパイラルロードA」F100

第27回損保ジャパン日本興亜美術財団選抜推奨展損保ジャパン美術術賞受賞

第85回旺玄展 損保ジャパン賞 濱田充代《磨かれて、旅に出る》

第85回旺玄展 文部科学大臣賞

長森雅世 油彩《片隅“Tear’s》

第82回旺玄展 ホルベイン工業賞

田中洋子 小口木版《フラワーバスケット》

  • 「旺玄会のスローガンは、『画の探求、我の調和』。新しい課題に挑戦して描き上げた絵を見てもらい、評価を参考に自作に対する客観的な目を養うことは、まさに『画の探求』に他なりません。もともと旺玄会の『旺』は盛ん、『玄』は奥深いという意味があり、絵の道を盛んに深く追求するという志から命名されました。その精神が、会員たちに定着してきたなと感じています」(片山副理事長)
  •  続く「我の調和」は、芸術論争以外の無用な対立は慎み、互いを認めて切磋琢磨しようという意味。牧野虎雄を盟主として1932年に結成された旺玄会は、過去に3度、派閥闘争による分裂を経験している。そのたびに会は弱体化し、再建に苦労した苦い過去の教訓から生み出された箴言だ。片山副理事長によると、ある美術評論家が旺玄会を「画壇には珍しい紳士淑女集団」と称したそうだが、その気風も会の精神の象徴といえるだろう。
第83回旺玄展 奨励賞受賞作家 三宅はるみ 木版画《花の時Ⅰ》
第63回旺玄展 牧野賞 森田克良 ミクストメディア《内なるもの》
本展と併せて楽しみたい、テーマ性に富んだ「企画展」
  •  2年ぶりとなる「旺玄展」は、上野・東京都美術館で5月20日から一週間にわたり開催される。依然として情勢は厳しいが、今年こそはと開催に賭ける思いはひとしおだ。
  • 「密集を避けるために搬入時の受付場所を拡張し、審査会の審査員数を減らすなど、感染症対策には最大限の配慮をして臨みます。毎年人気のあるギャラリートークや講評会は、人溜まりが避けられないので見送る予定ですが、表彰式や会員同士の貴重な交流の機会である懇親会は、形を変えて実施する方向で検討しています」
  •  併せて注目されるのが、本展と同時開催される企画展だ。油絵がメインで大作が並ぶ本展に対し、小品を扱う企画展では同一作家でも作風ががらりと変わる。来場客は同じ会場で一人の作家のいろいろな顔を知ることができ、作家にとっても設定されたテーマに挑戦することで画の探求が進む。
  •  さらに今年から新たな試みとして、秋には銀座で本展受賞者の選抜展も計画中。同期間、同エリアで、「継展」など旺玄会の別の展覧会を一緒に開催し、相乗効果を生み出す流れをつくりたいと意気込む。
  • 「旺玄会は作家の幅が広く、油彩から水彩、パステル、日本画、木版画、鉛筆画、デジタル画、ミクストメディアまで、多様なジャンルの作品を受け入れています。またシニア作家には生涯の学びを支援する環境を、若い作家には出品料や会費を免除・減額する奨励制度を用意しています。最初から本展に出す自信がないという人も、育成機関の役割を担う支部が全国にあるので、まずはそこで力を蓄えて、ぜひ本展に挑戦していただきたいですね。今後も会として作家の成長をサポートしていけるよう、本部と支部でしっかり連携した運営を目指していきます」
(文・構成=杉瀬由希)
第60回記念日本版画会展東京都知事賞受賞 高橋孝夫 木版画《目覚めⅤ》

第70回記念旺玄展記念賞受賞

布谷保則 パステル《秋の渓谷》

第84回旺玄展 東京都知事賞

鈴木てん子 日本画《暗き淵より》

第83回旺玄展新人賞受賞

佐藤和美 色鉛筆《添い寝》

第76回旺玄展 損保ジャパン美術財団奨励賞

平松康弘《未来への歩み》

第54回昭和会展 入選作品 山崎良太 油彩《夢の行き先》
第2回北の大地ビエンナーレ大賞受賞 池田均 水彩《ビートの丘》

第81回旺玄展 文部科学大臣賞

馬場由紀子 日本画《…前へ、それでも前へ。》

第82回旺玄展 上野の森美術館賞

松本奈緒子 鉛筆《だんだん-ありがとう-》

第80回記念旺玄展 玉之内賞受賞 永山勲 水彩《玉ねぎころりん》
公募情報
旺玄会
第87回公募 旺玄展
  • 搬入
  • 2021年5月8日(土)・9日(日)
  • 会期
  • 2021年5月20日(木)~27日(木)
  • 会場
  • 東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
  • 巡回展・地方展
  • 名古屋展…6月23日(水)~6月27日(日)、愛知県美術館
  • 大阪展…7月14日(火)~19日(月)、大阪市立美術館地下展覧会室
  • 受賞者選抜展
  • 11月22日(月)~28日(日) 銀座 あかね画廊
  • 〒104-0061 東京都中央区銀座4-3-14筑波ビル2F
作品公募
  • 搬入日時
  • 5月8日(土)、5月9日(日) 両日10時~16時30分
  • 搬入場所
  • 東京都美術館 地下3階 旺玄会受付
  • ※コロナ感染対策ステッカー取得
  • 出品画
  • 洋画(油彩、パステル、水彩、アクリル、ミクストメディア、鉛筆、色鉛筆、コラージュ等)
  • 日本画(含水墨画)
  • 版画(含デジタル・アート)
  • 他の公募展に未発表の作品とする。一人1部門、平面作品に限る。
  • 出品画には額縁を付ける。額縁幅は7cm以内、作品保護のため、絵面より周囲1cm以上突出していること。
  • 水彩画20号以上、版画30号以上は、マットを含め12cm以内。版画の小作品については制限なし。水彩画、パステルが、ミクストメディアなど画面保護の必要なものは、樹脂ガラス(アクリル)を使用する等自己責任において処理の上出品して下さい。ガラス不可。
  • 大きさ
  • 20号以上100号まで、120号、130号(FPM)は縦可。
  • (ただし、版画で銅版等は4号以上、木版、石版、孔版等は6号以上)
  • 規定外の作品は受け付けない。
  • 点数
  • 5点まで。
  • 出品料
  • 3点まで9000円、以降1点ごとに2000円。
  • 奨励制度
  • 2021年5月9日(日) 時点で25歳以下は出品料無料、30歳以下は半額。
  • 地方出品
  • 出品原票、作品預り証必要書類取り寄せて作品に添付し、下記の内いずれかの旺玄会作品受付に送付し、5月5日(水)までに到着のこと。地元に適当な搬入代行会社がある場合は、その会社をご利用ください。
  • (株)川端商会
  •  東京都葛飾区堀切2-16-2 TEL:03-3691-3200
  • 彩美堂(株)足立営業所
  •  東京都足立区南花畑4-33-7 TEL:03-5242-3701
  • (株)東美本社
  • 東京都渋谷区本町5-30-12 TEL: 03-3376-8148
  • ヤマトグローバルロジスティクスジャパン(株)
  •  東京美術品公募展支店
  •  東京都江東区東雲2-2-3 東雲ビル2階 TEL: 03-3527-6683

第87回旺玄展チラシ

第87回旺玄展チラシ 裏面

 
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